午前6時。

この時期に洗濯ものを干すのは辛いタスクである。夜であろうが、朝であろうが冷え込みは厳しい。去年の冬にこれが原因で風邪をひいてからは、ダウンを着込んでもこもこのズボンを履いてバルコニーに出るようにしている。


寒いのはかなわないが、それを除けば洗濯ものを干すのは嫌いではない。しんと冷え込んだ静かな空気のなかで、ランドリーバッグからひとつずつ衣類を取り出して、シワを伸ばして干す。あまりなにも考えずに無心で作業をする時間はある意味で貴重である。


たださすがに、1年で1番日の短いこの時期は湿度が高い日は丸一日干しても乾ききっていない。そういうときは、洗濯機にもう一度放り込んで乾燥ボタンを押す。冷えて湿り気の残った衣類に熱が与えられ、まるで生気を取り戻したように仕上がる。


けしてマメではないし、掃除のセンスなどは全くないのだけど、家事はけっこう好きで、仕事をしないことによるメンタルへの影響を考えなければ、専業主夫もやれそうだと自分では思っている。