新しい時代へ。

ドナルド・トランプ、米国大統領に就任である。今ひとつ現実感がない。ということはこれからは現実感がない世界が始まるということだろうか。そんなボーッとしたことを言っていては、時代に置いていかれるのかもしれない。

就任演説をざっと読んだ。誰の立場に立って政治をするのか、ということがよく分かる演説だったと思う。彼はあくまでも、地方部に暮らす労働者階級の白人の立場に立って政治をするつもりだ。その証左として、米国外の、たとえばロシアや中国の話はほとんど出てこなかった。もちろん日本もである。

一方で、どういう政策を採れば、彼らが真に利益を享受するのかということは見えない。オバマケアの撤廃やTPPの脱退は、果たしてその正解となり得るだろうか。もっとも、目に見えた形での利益よりも、見せかけの勢いや見せしめ的な方策で、彼らの溜飲を下げるのかもしれない。

そして世界は、今までのおせっかいな米国のいない世界になる。それは、なんらかの問題が勃発した時に、リーダーシップを取る存在がいなくなる世界になる、ということである。それが良いことなのか、悪いことなのかはまだよくわからない。