河岸段丘。

長野出張の最後に飯田に寄る。松本から飯田へは鉄道とバスが通っているが、後述の通り鉄道はえらく時間がかかるので高速バス一択となる。

松本盆地を出て小さな峠を抜けるとと伊那谷と呼ばれる南北に伸びる盆地に出てくる。ここには見事な河岸段丘が連なっている。高さ50メートル以上はあろうかという段丘の上にも下にも人家が並び、鉄道が段丘の底に下りたり登ったりを繰り返す。段丘の底には天竜川が流れているのだが、その天竜川にいくつかの川が流れこみ、丘に大きな切れ目を作っているので、底か丘の上どちらかのみに線路を走らせていればいい、というわけにもいかないのだ。そのため、線路はジグザグにコの字を描きながら続いており、たいそう時間がかかる。高速道路は丘の最上部にへばりついて敷かれているので、地形の影響を受けない。

この地方の人々がみな情に厚いのは、抗いようもないこの地形と付き合って暮らしていることと深く関係があるように思う。いい寄り道になった。