北神戸。

久しぶりに出張。神戸から神戸鉄道で北に向かう。たぶんこれまで乗ったことはない。なかなか年代モノの電車がキシキシ音を立てながら山を越えていく。越えた先は神戸市は神戸市でも、山神戸と言おうか、裏神戸と言おうか、とにかく山の中である。

神戸の街自体は平地が極端に少なかったため、住宅地は大阪湾を埋め立てた人工島か、神戸鉄道に乗って山を越えたエリアに拡張された。どちらもほぼなにもないところに街を作ったわけで、シムシティの香りがする。これはこれで嫌いではない。山側は何もないとはいえ地形はでこぼこしているので、当然ながら坂だらけの街になる。丘に張り付くように家が建てられてから数十年が経ったであろう街並みは、ベッドタウンとしての役目を果たし終えてのんびりとした時間が流れている。山側に限らず、神戸市は全域で高齢化が進んでいる。

お昼のワイドショーは、日本シリーズの話題でもちきりだ。タイガースにとっては9年ぶりの舞台になる。お好み焼き屋から六甲おろしのメロディーが流れてくる。トラッキーと並んで少し控えめに鎮座するネッピー(今はなきオリックスブルーウェーブのマスコット)のぬいぐるみ。ひっそりとした神戸の昼下がり。