モノレール。

パンケーキと生しらす丼を食べにくる人たちで年々混雑がひどくなる江ノ島。休日昼間の江ノ電は満員電車さながらの状態になる。江ノ島あたりも、原宿竹下通りに負けないくらい人であふれ、店には行列ができる。その光景を見るたびに殿様商売の4文字が頭に浮かぶ。

ただ、彼ら観光客が驚くほど利用しない、東京方面から江ノ島への最短ルートが存在する。大船から江ノ島に通ずる「湘南モノレール」だ。大船から江ノ島へはわずか16分、鎌倉経由で江ノ電に乗った場合の半分以下の所要時間だ。ちなみにPASMOSuicaは使えない。

モノレールは開業45年目になる。はた目にも老朽化しつつある橋桁と車両で、車内は旧国鉄の車両のようなローカルムードが漂う。意外にも加速は早く、乗り心地は子ども向けジェットコースターと言っていいくらいにちょっぴりスリルがある。モノレールと同じく成熟した、鎌倉の山側の街並みを縫うようにモノレールが走り抜ける。人生が落ち着いたら住みかにしたいような場所だ。ちなみに海は少ししか見えない。

休日の昼間というのに、車内には10人程度。海側の喧騒が嘘のように静かな雰囲気は、江ノ島の人々のテンションの高さに酔いそうになった頭をほどよくクールダウンしてくれる。