台風とMBA。

相次いで台風が来ている。気候変動のせいか、この国のインフラが老朽化を迎えつつあるのか、それともたまたまなのかはわからないが、前よりもまして自然災害を意識して生きていかざるを得ない時代に入ってきている。

東日本大震災を契機として、企業や組織でBCP(事業継続計画)を立てる動きが進んだ。加えて、非常時の従業員の出勤もかなり柔軟性のあるものになってきた。なにがなんでもオフィスに出社せよ、などという無茶なことを言う組織は大きく減っただろう。

そんななかでも今なお難しい対応を迫られるのが交通産業だと思う。陸運業、小売業、飲食業などと比べても休業に伴う影響が大きい。そんな中、今回の台風ではJR西日本が24時間程度前から、きょう16時以降の運休を決めた。

炎上に加担するのは小賢しいとは思うがはっきり言っておきたい。グロービスの堀社長が「ギリギリまで運行する努力をして欲しい。それがインフラを担う企業の使命だと思う」という発言をした。日本を代表するMBAの学長の言葉である。リスクマネジメントとして、経営判断としてJR西日本は間違っていたのだろうか。かりにもMBAスクールであるならば、ケースモデルとして徹底討論してもらいたいものだ。そしてトップのひと言が、グロービスのイメージに、職員や講師の士気に、グロービスを卒業した生徒に対する評価にどう影響を与えるのか、これ自体が良きケースモデルになるはずだ。

断言してもいい。明らかに失言である。ミスをしたこと自体でなく、その事後対応に人間性がはっきりと出る。よく見ておきたい。