洗濯。

数年続いた夫婦2人の生活ももうすぐ終わる(予定な)ので、いそいそと行きたかったところに足を運んでいる。この間は伊豆に行ってきた。かねてから行きたいと思っていた湯ヶ島の旅館。去年秋にも予約を取っていたのだが、台風直撃に伴い泣く泣くキャンセルした。

旅館にしろホテルにしろ、どこに行っても設備のレベルが高いレベルで安定しているこんにち、差別化を図るのは贅沢な空間の使い方であることと、細やかな工夫の積み重ねの2つなのだと思う。前者は部屋数を抑えたり、部屋を離れのように作ることによって他者の息づかいを感じられないようにすることである。後者についてはそれこそ工夫の余地は無数にあるが、ゲストの側から見てもどの点が琴線に触れるかは人それぞれであり、その接触点をどれだけ増やすか、という意味での幅広い工夫の積み重ねが求められており、これこそが「おもてなし」と呼ばれるものなのだと思う。

その2つの要素を満喫できる期待にたがわぬいい旅館だった。今年も来年も海外には行けなさそうだし、長い休みを取ることもできなさそうなので、1泊でも心に残るところに泊まりにいって心の洗濯ができればいいのだが。