9年目の仕事納め。

やっとひと息つけるかと思った最終週も、それなりにいろいろとあったのだが、これでようやく今年の仕事納めとなった。今年一年は労働量はそれほど多くはなかったものの、これまでで最も質の濃い一年だったと思う。

例年12月はブログを休んでいることが多いので、いつも年の終わりに何を考えているのかうまく思い出せない。唯一はっきりと覚えているのは6年前の仕事納めのことだ。大きな案件の決済で初めての沖縄に飛んでいた。この年は、新しい環境に戸惑いうまくいかないことばかりで、すっかり自信を無くしていた。沖縄から神戸に飛行機で戻ったところで友人にメールをしたが、その内容があまりに支離滅裂で、ひどくその人に心配をさせてしまった。年明けからの展望も全く見えず、挫折感いっぱいのままで、ふさぎこんだように正月三が日を過ごし、気が重いままに東京のアパートに戻った時には、なんとも言いようのない孤独感に苛まれた。そこから数日と経たずして人生のターニングポイントを迎えるのだが。。

あの年の仕事納めから6年になる。ちょっとずつ、ちょっとずつの積み重ねで、社内のポジションも変わったし、できることも増えていった。うまく話せなかった人とも話せるようになったし、たくさんの人のなかで少しは自分らしさを生かしてふるまえるようになった。来年のことは来年のこと、どうなるかはわからないけれど、たとえどういう事態になっても、冷静さを保って、現実を受け止めて対処する力は身についたと思う。すごく手間味噌だが。。

昔はやりたいことがあって、そのためにスキルを身につけるのだ、と考えていたこともあったが、いつからかやりたいことは消えていった。その代わりに、自分でやれることが増えてくると、それらのスキルを組み合わせて、こういうことができるのではないか、というアイデアが浮かぶようになってきた。自分がやれることが増えれば、どんどん世界が広がっていく、だからやりたいことが最初からきっちりと決まっている必要もないのだ、と思えるようになってきた。

来年も淡々とやれることをやっていきたい。そうして願わくば一つでもふたつでも、今までできなかったことができた、という瞬間にたどり着きたい。そうしてやれることの幅を少しずつ増やしていけば、『君のやるべきことはこれだ』と啓示が舞い下りてくる瞬間に出会えるのだと思う。