2004年のモロッコ②。

(昨日の続き)モロッコに入ってからは、もっぱらローカルバスでひたすら南端のメルズーガを目指した。シャウエン、フェズ、メクネス、という趣きのある街で少しずつ滞在しながら、いよいよアトラス山脈を超えていく。モロッコの食事はトマトや玉ねぎ、米をベースにしたモロカンサラダ、トマトベースのスープのハリラ、分厚いパンに肉を挟んだパスティラなどなど、日本人でもとっつきやすいメニューが多い。もちろんケバブも美味しい。ミントティーで甘ったるいお菓子を食べるのも良い。途中、ナイトクラブで踊ろうとしたら現地のオバちゃんにものすごく求愛されて宿までの真っ暗闇の道を走って逃げ帰ったり、食堂ででくわした兄ちゃんと宗教論争をしたり(ムスリムの人にこの議論をするのは危険と知らず、、)などということもあり。

そうこうして山脈を超えると、緑豊かな世界から、赤茶けた大地に変わる。サハラ砂漠の入り口なのである。砂漠といっても、ゴロゴロした岩が転がっていて、砂っぽい感じはない。

最後はバスも通っておらず、ジープの相乗り。舗装もされていない土の道を時速140キロくらいでぶっ飛ばして、ようやくメルズーガに着く。ここは、本物の砂の大砂丘があるのだ。ここの砂はオレンジ色をしている。ラクダがのんびりと歩いている。ここにはベルベルの民が暮らしている。すごくなれなれしくて陽気な人たちだ。髪の毛も赤かったり、金髪だったり、黒かったり、どんな出自なんだろうか。メルズーガ大砂丘のすぐ先はアルジェリアなのだが、彼らにとっては昔から国境の概念などなく暮らしてきたのだろう。(さらに続く)