雨の向こうに。

てくてくと大通りを歩いていた。外訪活動がある程度自由にできるようになって、また日常のなかでの歩数が増えてきた。以前とは少し変わった街並みを愛でながら歩く。マスクが蒸れるが、冷夏の今年はまだそれほど嫌にはならない。


ふと、通り雨が降り始めた。この連休も含めて、1日に何度も雨が降ってはやみ、の繰り返しである。じきにやむだろう、とたかをくくって傘も買わずに歩き続ける。すぐに雨はざっと強くなるが、構わずに歩き続ける。


地面からもわっとした蒸気が舞い上がる。気分を萎えさせるが、ここで心が折れてタクシーに乗り込んだらなんだか負けだなあと思ってしまい、歩き続ける。夕方の空、立秋も近づいて、17時台でも夕暮れのような雰囲気が徐々に戻ってきた。向こうに見える首都高速のランプが雨にけぶる。


そうこうしているうちに雨は弱まり、目的地にたどり着く。少し手前のビルの軒下に入り、タオルで顔や鞄を拭いておく。このぶんだと、10分もすればなにもかも乾いてしまうだろう。つま先にぐっと力を込める。もう少し頑張る。雨上がりの向こうに、新しい世界があると信じて。