掬う。

飲み会で歌舞伎町にいく。何度来てもこの街は好きになれない。いまだにキャッチが多くて心がざわつく。


なんというか、リピーターを重視するつもりがハナから無い店が多すぎるのである。ぼったくりとまではいかなくとも、うまくひっかけて、一度きりで巻き上げれば良い、どうせ二度と来ることもないだろう、という意識がぷんぷんとしている。そんな店に入って満足な体験ができるわけない。


渋谷あたりでもよく食事をすることがあるのだが、渋谷にはほとんどそのような店はなくなっている。また来たい、と思わせるお店が多い。もちろん新宿も全てがそういうお店ではなくて、ゴールデン街や思い出横丁には良い店が多い。歌舞伎町の一部の店だけがいまだにそういう商売をしている。


一見客を網ですくう商売のやり方は、昔は日本じゅうどこでも見られるものであったが、それではやっていけないことにみんなどんどん気付き始めたのだろう。そのなかで需要が変わらず巻き上がってくるがゆえに、スタイルを変えずともやってこられたこの街は、逆に遺産のようになりつつあるのかもしれない。