長屋と戸建て。

連休中に、実家の近くを散歩していて感じたのが、古い長屋がどんどんと壊されているということだ。もともとは長屋ばかりが建ち並ぶ地域だったのだが、長屋にも空きが目立ちはじめ、地主(長屋はほとんどが地主の所有である)の承諾が取れたところから、更地になり戸建て開発が行われている。くすんだねずみ色をした長屋から、白を基調とした真新しい戸建てが建つようになる。

それでもまだまだ残っている長屋を眺めていると、ずいぶんと一軒ごとのサイズが小さいことに気づく。2階建で50平米台、というのが長屋の平均的な大きさではなかろうか。隣家ともくっついているので、ひしめき合って建っているという表現がぴったり合う。対して、戸建ては建ぺい率も勘案して、ゆったりと建てられている。

長屋が全盛だった頃から比べて、わずか数十年しか経たないのに、家屋のあり方はかくも変わるものか、と思う。いま当たり前とされている住居のカタチも、数十年すればまた過去のものとなっているのだなあということを思う。