サブロー、引退。

充分すぎるほどに予想はついていたことなのだが、やはりその一報を聞くと淋しいものがある。サブローがついにバットを置く。

数年前に一時トレードに出された際のエントリーにも書いたが、僕のマリーンズ応援ヒストリーは、サブローと(そして福浦と)ともにあったと言っても過言ではない。福浦の柔らかいバッティングも好きだが、サブローの、力の抜けた構えから繰り出される、コンパクトでありながらも鋭いスイング、そしてそこから弾き出されるクセのない放物線がたまらなく好きだった。

ここ数年は正直に言えば期待を裏切られることも多かった。特に去年などは全盛期と比べると見ていて悲しくなるほどに身体が動いておらず、本人としても思うところはあっただろう。それでも、彼の残した功績は色褪せない。正の感情も負の感情も全部ひっくるめて、彼への想いなんだと思うようにした。そして、やっぱりここで彼にひとつ言葉をかけるとすれば、「ありがとう」という言葉しか見つからないのだ。