帰る場所。

大阪出張。ここ一カ月ほど目の前の案件の処理に注力していたので、マーケットの情報収集と新たなる案件の仕込みに専念できるのは久しぶりである。僕はどうしても、拾った案件を最後まで仕上げる工程よりも、なにもないところから案件を拾い上げる動きのほうが好きだ。それはとりもなおさず根気のなさや詰めの甘さといった自分の欠点を意味するのだが。

久しぶりに会う人たちと情報のアップデートを重ねる。親しく付き合っている関西の人たちはおしなべてみな僕のことを温かく迎えてくれて、やはり関西に戻ってきて働くことに心が動きそうになる。関西に戻ることを真剣に考えたときに、マーケットの小ささやシビアさを思い、簡単なことではないと思い直すばかりではあるのだが、一度きりの人生、それでもチャレンジしてみようかと思う自分もいる。

一歩進んで二歩下がる、あるいはその逆を繰り返しながら、きょうまた大阪から新横浜に帰る。どんなに関西が温かくとも、いま帰る場所はまだ東にある。