父と子。

父親は公務員として長年勤め、一昨年定年退職した。最近でこそ言われなくなったが、小さい頃から数年前までずっと、公務員になることをすすめられていた。結局、全くその言葉を聞き入れずに人生を選択してしまったのだが。

父親は性格的にも非常に公務員に向いていたのだと思う。超がつくほど真面目で、手を抜くことを知らない人だ。根気よくものごとに取り組むのが得意で、やると決めたことは必ず最後までやりぬく気質を持っていた。

公務員の道を選ばなかった理由としては、、父親と自分とでは性格や価値観が違うと自覚していたことが大きい。もちろん公務員といっても職種はさまざまで、求められる資質もさまざまなのだが、結局のところ、それらのどれにも目を向けることはなかった。

あえてその理由を掘り下げると、おそらくファミコンの野球ゲームに行き着く。驚くべきことに同じゲームでも、父親と自分では遊び方が全く違ったのだ。間違いなくこれは2人の気質の違いにあるのだと思う。詳しくはここでは書かない。

そんな父親の気質が嫌いだった時期もある。けれども最近になってようやく、そのような気質や、父親の生き方が少しは理解できるようになってきたかな、と思ったりもする。