海峡。

大学1年の夏休み。東北をぐるりと旅行した後に函館に立ち寄った。当時走っていたのが客室をつないだ「海峡」という快速列車。青森からガタゴトと揺られること2時間半だったか、夜の函館駅に着いた。

宿は決めていなかった。ぐるりと探して見たが、お盆のシーズンということもあって空きは少ない。スマートフォンで検索、などということのない時代のことだ。そのうち面倒臭くなって、どこかで野宿しよう、そうだ野宿するならば、景色もよく人目にもつかない函館山なんてどうだろう、と安易に、本当に安易に決めて、山に向かって歩き出した。

重いザックを背負い、時折登ってくる車におびえながら、真っ暗な登り車線の脇を歩く。思いの外あっさり、2時間ほどで頂上に着いた。展望台のたもとで、新聞紙にくるまって眠った。目を開けると夜景が飛び込んでくる。夜景はもちろん綺麗だったが、夜明け頃、紫がかった朝もやの中を海峡に向けて漁船が連なって出航していくさまが、これまた美しい風景だった。

夜が明けてからは、さすがに疲れたのでヒッチハイクで山を下りた。車に乗せてもらった人に連れていってもらった朝市のお店で食べた海鮮丼の美味かったこと。そして朝の「海峡」でまた本州に戻った。滞在時間はわずか10時間くらいだったか。

そんな思い出の函館に、もう一度行ってみたい。あした、函館に新幹線が通る。