スリップ!

武蔵小杉駅のホームで派手に転んだ。

事件が起こったのはきょうの夕方。保育園のお迎えに行くために急いでいた帰路の途中。武蔵小杉駅横須賀線南武線のホームがひどく離れており、乗り換えに時間がかかる。そのうえ、横須賀線ホームから乗り換え通路に下りるには下りエスカレーター2本しかなく(階段もあるがさらに遠回りになる)、電車到着時にはエスカレーターの前に長蛇の列ができる。ここでどのポジションを獲得するかで、1分以上の差が生じ、南武線で1本早い電車に乗れるか否かを左右すると言ってもいい。折からの雨でホームは濡れていた。

きょうも、少しでもいいポジションを確保すべくドアの前に立ち、電車のドアが開くと同時にダッシュした。周到な作戦の成果あって、5番目くらいのポジションでエスカレーターに到達するかと思った次の瞬間、身体はホームに叩きつけられ、したたかに肩と肘、頭を打った。頭はコートの襟のおかげで衝撃は少なかったが、肘への衝撃は大きく、呼吸が止まり、身体は動かせなかった。その横で人がエスカレーターに群がり、列をなしていく。声をかけるものはいなかった。

20秒くらい立っただろうか、ようやくフラフラと立ち上がることができた。人の流れも途切れないので、ひとまず肩を丸めてエスカレーターに乗った。なんとか歩けそうだ、保育園のお迎えにも行けそうだ、と思い、油断ならねえなとつぶやいて、南武線ホームへの長い長い道をふらふらと歩きはじめた。