敵と味方。

先月のこと、報道ステーションで面白いやりとりがあった。時折コメンテーターとして出演していた元経産官僚の古賀茂明氏が、3月末で出演打切りとなった際に、官邸やテレ朝の圧力があって降板させられたと生放送で喋ったのだ。後日動画で確認すると、キャスターの古舘氏とも口論のような形になっていた。

個人的な印象からすると、報道ステーション自体が、政権を批判的に捉える番組だと思っていたので、古賀氏もその文脈のなかで起用されたものだと思っていた。それが、古賀氏が想像以上に過激な論調やパフォーマンスを繰り広げるものだから、テレ朝としても手に焼いて降板となったのであろう。実際に政権からの圧力があったのかはわからない。

報道ステーションと古賀氏は同じベクトルを向いていたはずなのに、いつしか一方が先鋭化し、一方がさすがにそこまではついていけないと自重してしまった。そこで先鋭化した方は、自重した方に対して非難の声を挙げた。そして先鋭化した考えを持つものだけが固まり急進的な集団となった。報道ステーションは相当にリベラルな立場の番組だったように思うが、古賀氏からすれば彼らもまた体制側に取り込まれ「敵」となったとみなされたのだ。

この光景、どこかで見たことがないだろうか。もうこれ以上は言わないが。