夢の跡。

わが家の屋根に乗っかる太陽光発電も、冬になるとその働きを弱める。これまで日の長い時期には月々の光熱費をほぼカバーするくらいに売電してくれていたのだが、冬には売電額も半分以下になり、購入額は倍以上になる。いい時はいいのだが、いつでも頼れるわけではない気まぐれな存在と言うほかない。

再生エネルギーの固定買取価格は今年も引き下げられた。これで3年連続の引き下げになる。わが家は42円/kWhのところが、今年からは33円/kWhになるそうだ。企業向けの買取価格は27円/kWhにまで下がっている。

結局再生エネルギー制度とはなんだったのだろうか、という疑問はある。もちろん個人住宅でもソーラーパネルの設置は進んだが、それ以上にここ数年企業がメガソーラーを設置する動きは活発だった。既存の大企業に加えて、外資系の投資家や、山師のような気質のあるプレーヤー達がこぞってメガソーラー用地を買いあさり、破格の固定買取制度をフル活用して、ごくごく低リスクで儲かる仕組みを築いていった。そのしわ寄せは再エネ賦課金として万人の電気料金にオンされている。メガソーラーに参入した輩はそれをさも再生エネルギー社会の実現に貢献した、社会貢献として事業を行ったと喧伝しているが、なんのことはない、目ざとく儲かるチャンスに乗っかっただけだ。

そんな儲け話がいつまでも続くわけもなく、今になって制度の見直しが進められたというだけのことだ。原子力に強いと広言した元首相が始めたこの制度は、結局のところ、目ざとい輩にいいようにつけ込まれただけに終わった。それでも再生エネルギーの普及によるメリットが上回ると言える、とも思えない。