太陽光発電と深夜電力。

今年の春は寒かったが、4月に入ってから天気の良い日が増えてきた。布団を干すと、夜寝る時にとても気持ちがよい。気温も上がってきて、我が家では昨日ストーブを片付けた。

★★★

我が家はオール電化住宅であり、なおかつ屋根にはソーラーパネルが乗っている。賃貸契約を結んだのは昨年の4月末、おりしも夏の計画停電が騒がれていた頃だ。もしかしたら、オール電化が避けられがちだったあの頃だからこそ、僕たちがこの家にたどりつくことができたのかもしれない。現に、数人の人からはなぜこの時期にオール電化の家なんて入居するのか、と言われた。

結果的には、オール電化太陽光発電の売電システムはたいへん家計を助けている。我が家の電気料金は春秋が4,000円台、夏が5,000円台、冬が7,000円台といったところである。もちろんオール電化なので、給湯・IHクッキングヒーターの使用を含めてこの数字である。売電金額は冬が3,000円台、春夏冬は4,000〜5,000円台といったところであり、日照時間の長い割に電力消費の少ない4〜5月はなんと黒字になる。光熱費ゼロというのは非常に助かる。

黒字になる理由として、2つのカラクリが隠されている。ひとつはご存知のように太陽光発電による売電単価が非常に高い。42円/kwhである。電力会社は完全に赤字を出して電力を買い取っている(厳密は、電力会社へ売った電気はご近所の家庭の電力に使われるそうなので、太陽光発電を行っていない家庭の電気料金に上乗せされている)。もうひとつは、電化上手という、我が家の契約形態にある。一般的な電気契約の買電単価は23円/kwhであるが、電化上手プランに切り替えると、昼間(10:00〜17:00)料金が28円/kwh(夏季は33円/kwh)に上がるのに対し、夜間(23:00〜7:00)料金はなんと9円/kwhとなる。大雨の日でもなければ昼間はたいてい太陽光発電が行われているので、実際に昼間料金で電力を使うことはこれまでもほとんどない。エコキュートを活用してお湯は全て夜間に沸き上げしておくので、我が家の消費電力のおよそ7割以上は夜間料金が適用されている。かくして、電気料金は通常の契約の半分以下で済んでいる。

我が家に関して言えば本当にありがたいことに光熱費が助かっているのだが、この事態に正正直複雑な想いを抱いてしまうのである。9円/kwhという夜間料金は、原子力発電がベースロードとして活用されていたこそ設定可能な価格であり、夜間もLNGを燃やすしかない今となっては、逆ざや間違いなしである。今となっては電力会社は一刻も早くこのプランをやめたくて仕方ないだろう。そんなウラ事情が垣間見える。