曲線的。

先週から続いているイスラム国による邦人の拘束と身代金の要求は、人質のうち1人が殺害されたことが濃厚とみられている。痛ましいことであるし、日本政府は最大級の非難を表明しているようだが、客観的に見ればイスラム国は完全に下手を打ったように思われる。

日本のネットユーザーたちが「クソコラグランプリ」と称して身代金要求の動画が改変され、競って笑いを取る動きがあったが、イスラム国の中の人はこんな動きを予想できたわけがない。身代金の要求に日本人は動揺すると思っていたところにこんな切り返しがあったのだから、イスラム国の中の人は恥ずかしいやら、神経を逆なでされるやら散々で、日本人を人質に取るメリットなぞないことを痛感しただろう。

あくまで結果論かもしれないが、クソコラグランプリを含めて、日本側の対応に今のところ落ち度はないように思える。クソコラはただの平和ボケで幼稚な言動とする向きもあるけれども、笑いは脅迫や恐怖を無力化する有効な手段だ。シャルリエブドの風刺画の一件とも違って、今回の相手はどこからどう見ても無慈悲な集団なのだから、いじり返してやればいいのだと思う。間に受けることこそ相手の思うツボだ。悲しみすら、笑いが塗り潰してくれるはず。せめて部外者はとことん笑い飛ばしてあげればいい。