価値。

iPhone6とiPhone6Plusが発売となった。もはや毎年この時期の風物詩になったが、今年は心斎橋や銀座のアップルストアで転売屋と見られる輩がトラブルを起こし、逮捕者も出たらしい。

ティージョブズが生きていたならばどう対処しただろうか。非合法な方法で、他の一般客にも多大な不快感を与えてでもiPhone6を手にしたいという醜悪極まりないユーザーに使用させることを彼は良しとするだろうか。スティージョブズの意志を継ぐのであれば、アップルストアは不正な形でiPhone6を手に入れる輩に対してより厳格なペナルティを課すか、トラブルが起こらないためのウィットに富んだ事前準備をすべきだったのだと思う。そうすることで、アップルの文化がユーザーに共有され、ブランドの価値が高まるのではないか。

逆にそこまでの対応を取らなかったのは、iPhoneというガジェット自体がもはや先駆者たちのためのデバイスではなく、機能の進化自体が袋小路に差し掛かっていることの証左なのかもしれない。それは企業のライフサイクルとして致し方ないことなのだろうか。企業は成功を収めるほどに、大胆な戦略を取ることが難しいことを実感する。