複利。
近ごろ就職先の決まった大学生と食事をした。同時に内定がもらえず苦しんでいる大学生の話を聞く機会もあった。
30歳を過ぎた僕の目から見て、2人の学生に資質の差はほとんどないように思われた。2人に限らず、学生の段階では、仕事をするうえでの本質的な能力の差はほとんどなく、内定が獲れるか獲れないかは、本人の気質を軸としながらも、要領の良さや外見からのイメージ(もちろん身だしなみは大事なのだが)に左右されがちである。それゆえに就職活動で苦労する人は、理不尽な思いや徒労感に襲われることもあるのだろう。
一方で、この歳になると仕事ができる人とそうでない人の差がかなり開いてくることを感じる。それは当人が置かれている環境(どういう行動が評価されるか)や、当人の努力の積み重ねが日々複利効果のように膨れ上がってくるからに他ならない。どんなスタートラインに立つか、ということよりも、その後どれだけがんばって走ったか、ということの方がよっぽど大切なのだと思う。
苦労している彼彼女には、どうかくじけずにがんばってほしい、本質的なところを評価してくれるいい出会いを見つけて、自分の良さを伸ばしていってほしいと願う。