覚醒。

6月はよく眠った。

この季節、まだ明るいうちに帰宅できることが多い。たいして仕事も忙しくはないし、夜の付き合いも頻繁にはしないようにしているので、夕暮れの下で自転車を漕いで家につく。妻よりもだいぶ帰宅が早いので、夕食を作るのはもっぱら僕の役目だ。

米を洗い、指示されたレシピ通りに淡々とおかずを作る。料理の腕はいっこうに上達しないが、レシピ通りに作ればそれなりの味になる。料理の腕はすなわち自己流に走らずに基本と原則に忠実に作ることなのだと、最近になってようやく気がついた。そうこうしているうちにとっぷりと日も昏れる。

それでもまだ妻が帰ってこなければ、走りに出かける。なにも書かなかった6月は、その分浮いた時間で走っていることが多かった。ひとしきり走って帰宅し、シャワーを浴びると、猛烈に眠くなってくる。いや、走らなくともやっぱり眠くなってくる。

そうしてようやく夕食を摂りひと息つくと、もうベッドに入ってしまう。気がつくとぴったりと6時間が経っていて、夜が明け始めている。6月はその繰り返しだったような記憶がある。

もうすぐこの生活も終わる。そしてまた、このくだらない日記を始めることにする。