ベイス★ボール!
DeNAベイスターズ、7点ビハインドを覆してタイガースにサヨナラ勝ち。
夏の終わりが見えてくると共に高校野球も大詰め。パリーグもいつものように混戦模様。しかしながらそれらを差し置いても、今年はとにかくベイスターズから目が離せない。誰が何と言おうと目が離せない。
近年セリーグは上位チームと下位チームの差がはっきりし過ぎて面白みがなかった。それが今年はドラゴンズが開幕から大失速。スワローズも野戦病院さながらに故障者が相次ぎ、なんと現在3位に座っているのはカープ。ベイスターズもオールスター明けに3位に躍り出た時期もあった。この4球団が史上まれにみる低いレベル(勝率4割台前半)でクライマックスシリーズへのたったひとつのチケットを争っている。
7月末からベイスターズは泥沼9連敗を喫したが、それでも最下位には転落していない。他の下位チームも相応に負けているからだ。今夜の段階で3位カープとはわずかに3ゲーム差。ベイスターズが、8月も下旬に入ろうとしているこの時期にこれほど夢のある戦いをしているのは何年ぶりだろうか。横浜スタジアムの観客動員数が非常に伸びているのもうなづける。
そして何よりもその戦いぶりが楽しい。今年のベイスターズはとにかく打つ。ブランコがとにかくピンポン球のようにスタンドに持っていく、ノリさんこと中村紀洋もポイントゲッターとしての役目を果たす。春先はさっぱりだった変人モーガンも、暑くなるにつれて本性を現しいつの間にか3番バッターに定着。ホークスから帰ってきた多村、首位打者を獲得したのはいつぞやの金城といった懐かしい名前も渋く結果を残す。そして課題の若手も、荒波翔、キャプテン石川雄洋がもがきながらもレギュラーの座にしがみつき、梶谷隆幸は夏場からまさかまさかのトップバッターとして大ブレイク。今年結果は出ていないものの、ラミレスも精神的支柱としてチームに欠かせない存在であることは確かだ。
この多士済々のメンバーが打ちまくる。勝ちゲームも負けゲームも打ちまくる。チーム得点数は首位のジャイアンツを上回る。その代わりに打たれるのも派手。先発ピッチャーが打たれ、その後を継ぐピッチャーも打たれ、とにかくもつれる。3時間半ルールも撤廃されたなかで、夏場以降は長時間ゲームという意味で存分に野球を楽しんでいる。
はたから見ればよれよれなのかもしれない。ただ、今年のベイスターズは苦しみだけではなく、楽しみを併せ持ちながら野球をやっている。高校野球のように、全力で明日なき戦いを続けている。どうか最後まで、楽しみ続けられるシーズンであってほしい。そしてあわよくば。。