この1週間は忙しく過ごしている。いろんなことがどんどん頭に入ってきて、消化不良を起こさず吸収するのに精一杯になると、自らアウトプットする余裕がなくなってくることに改めて気付いた。これまでの仕事の引継ぎにしても、これからの仕事の受け入れにしても、丁寧にやりたいという気持ちが強くなっていて、ひとつひとつ噛みしめながら整理していている。これまでのことは別に綺麗さっぱり忘れてしまってもいいのだが、自分のなかでそうしたくない気持ちが強くなっている。なんだかんだあっても、楽しくて幸せな時間だったのだと思う。
★★★
10月の声を聞くと、にわかに戦力外通告や引退のニュースが流れるようになる。今年は特に球界を去る選手が多いように感じる。そして、まだまだ若いのにあっさりと次の道に進む選手が以前に比べて増えているようにも感じる。
新しくプロの世界に入る選手の数だけ、プロの世界から去っていく選手がいる。自分の意思で引退を決めて会見をできる選手は一握りで、大半の選手は自分の意思と関係なく、一方的に戦力外通告を受ける。そこから多種多様なセカンドキャリアが始まる。
セカンドキャリアに進む時に、引き合いがあるかどうか、それはそこまでにその選手が積み重ねた周りの人との関係性や人間性がものを言うことが多い。プロ野球選手として残した成績や野球の能力と、セカンドキャリアを成功させる能力は見事なまでに一致しない。
ビジネスパーソンにも同じことが言える。仕事で卓越した実績を残した能力のある人が転職や独立をする際に、必ずしも評価されたり、来てほしいと乞われるわけではない。それよりは、人となりなどといった定性的に表しにくい部分が往々にして引き合いの決め手になったりもする。
いろんな人が僕の目の前を通り過ぎていった。いろんな人がいろんな感情の動きを見せて、感情の高ぶりのままに行動したり、努めて冷静に行動したりする姿を見た。そしてそれぞれの行動がどのような結果に帰結していったか、しっかりと見た。時には先入観から穿った見方をしてしまうこともあったし、自分でも驚くほどに客観的に情況を見つめているなと感じることもあった。「見た」ことの蓄積からなにか明確な答えが導き出せたわけではない。けれども、目の前にあることを受け入れる勇気を失わないことで、新しい自分が少しずつ創りだされていることを日々感じている。