ひばり。

15年前くらいに不意に美空ひばりの曲を聴きたくなってよく流していた時期がある。マイブームはすぐに過ぎ去ってしまったものの、印象深いビブラートの曲がいつまでも脳裏に残っている。

朝ドラ(いつのまにかもう最終盤だ)で美空ひばりを模した役が登場してきた。それで生い立ちなどが改めて気になって調べてみた。

幼年期も壮絶ならば、成人してからも紆余曲折があった。戦後の混乱期ならではと言えばそこまでなのだが、極道との付き合いもあり、この頃の芸能界はいろいろあったのだなぁと今にしても思う。

そして晩年、晩年といっても40代後半からのことである。いまの自分とそんなに歳が変わらないのだ。どれだけの速さで人生を駆け抜けてきたことだろう。文字通りに命を燃やし尽くして、自身もそれをよくわかって、それでもスピードを緩めようとせず最後まで走った。そういう人生を歩むことの潔さ、格好の良さを体現したということだろう。

令和の時代になってもう一度、揺り戻しのようにそういう生き方にスポットが当たるようになってきていると思う。