暖を取る。

いつまでも暑い暑いと思って半袖のワイシャツや短パンなどを用意して出張に出かけたら、朝晩は肌寒さを感じる羽目になった。肌寒いうえに列車内などは空調が効いていて、寒くて寒くて、窓際の陽光が差し込む場所に陣取って暖を取ることになった。

そうこうしているうちにお日様が南中に近くなり、列車を降りてみれば空気はカラっとしているものの日差しは夏のそれである。駅前のベンチに座っていると半袖でちょうどよい。気分もよくサクサクと仕事をこなす。

きょうもまた新しい出会い。そして、仲良くなりたいと思っていた人と距離が近くなり、嬉しいことこのうえない。人脈は会合や交流会に出て作るものではなく、厳しい仕事をこなすことで生まれるものだと改めて感じる。うわべだけでなく、いろんな壁を一緒に乗り越えてきた仲間が多いほど、人生は振り返って実りあるものになるのだと思う。

秋の日はつるべ落とし。17時のチャイムが鳴るとすぐに辺りは暗くなる。このなんともいえないもの悲しさがたまらない好きだ。そうして気温もぐっと下がりはじめてまた半袖では寒くなる。きょうは温かい飲み物でも買い求めて帰りの車中の人となろう。