滑って。

大雨。坂道でつるっと滑って転んでしまった。膝を強打。骨は折れていないが打撲である。しかしながら骨には衝撃が走り、痛みのあまりすぐに立ち上がれるだろうか、というくらいの衝撃だったが、雨が降っているなかうずくまっているわけにもいかない。身体を起こしてきた道を振り返る。落とし物はしていないみたいだ。

 

いったん落ち着いてみると、膝から血が滲んでいる。足の甲も同じようにすりむいたみたいだ。血をみるととたんに別の痛覚がはたらきはじめる。

 

カックンカックン歩きでカバンからばんそうこうを出して貼る。昔からよくこける子どもだったよなあ、と処置をしながら思い出す。そろそろ、迂闊にこけると骨折などを心配しなければならない歳に差し掛かってきている。

 

いまでもかがむと膝がヒリヒリする。雨は引き続きしきりと降り続けている。痛みをどうやり過ごすか、痛みに対してどういう意味を付与して受け止めていくか、どういう行動をとるか、試されているのだと思っている。