意志と希薄。

春のセンバツ、決勝戦の終盤と閉会式を見ることができた。既報の通り大阪桐蔭の圧勝だったのだが、優勝インタビューを聴いても、この強さで全国の頂点に立っても全くもって慢心がない。心の芯から自分たちはまだまだであると自覚して、またすぐに夏の山を登りにいくんだ、という気迫が伝わってきた。


複数投手を主力に育てあげること、盤石の守備と鋭い打撃、どれをとっても申し分ない。これに加えて心構えも備わっているとなれば、いくらトーナメント勝負とはいえ崩れようがないなと思わされる。この姿をみてオーバーラップしてくるのは藤井聡太五冠である。彼もまたどれだけの結果を残そうとも謙虚な言葉しか出てこないし、純粋にもっと強くなりたい、その道を極めたいという意志を感じる。


欲を言えば、大阪桐蔭出身の若手プロに最近はやや伸び悩む選手が多いのは残念である。あれだけの心構えを持ってなお、プロという世界で結果を残すには足りないものがあるのか、という現実をまざまざと見せつけられるに至り、本当に突き抜けて結果を残すにはなにが必要なのか、考えさせられる。