幕を引くまで。

急に寒くなってきたなか、とぼとぼと夜道を歩く。毎年なぜか、この季節になるとあてもなく街中を歩く日がどこかで1日やってくる。


レストランの軒先には小さな、ビルのエントランスロビーには大きなクリスマスツリーが鎮座している。みんながみんな毎年ほくほくとした年末を迎えられるわけでもない。むしろ目の前のことが上手くいっていないと、よりいっそう自分のみじめさが際立つ。


年末は、1年の答え合わせのようなものだ。結果はどうであれ、頑張り抜いたと思えば、大きな手ごたえを携えて笑顔で終わることができるだろうし、手を抜いてしまったという自覚があれば、どうしても陰を帯びてしまう。


毎年自分なりにベストを尽くしているつもりではあるが、今年はどうだっただろうか。まだ1か月残っている。結論を出してしまう前に、ギリギリまでやりきれることがあるはすだ。


寒さで顔が火照ったまま、地下に降りてぎゅうぎゅうの地下鉄に乗り込む。