バックパック。

久しぶりにバックパッカーだった頃の話を書いたら、ひとつ思い出したことがあった。


18歳の頃から使い続けてきたバックパックとついこの間お別れをした。このバックパックをかついで見知らぬ土地で泊まったのは、延べどれくらいになるだろう。200泊は越えているのは間違いない。そのくらいに、20歳前後の数年間は一緒にいたし、20代後半になっても、登山の時には使い続けて、山頂で買えるバッジをジャラジャラとつけていたりもした。


山で滑落したときも、海外で肝の冷える体験をしたときも、いつも一緒にいた。いろんな場面を見てきたと思う。ここ7年くらいはほとんど使う機会もなくなり、クローゼットの奥にこじんまりと居座っていたのだが、いよいよのお別れとなった。


バックパックが、モノとしての生命は終えても、いくつかの写真や、記憶のなかには残ってくれるものと思っている。これでようやく僕も青春時代とはお別れしたということなのかもしれない。