見えざる手。

10月を通して、マーケットが大きく下げている。今月のこの動きの前から、金融の世界の一部の界隈では、今後の景気の下ブレを明らかに想定した手当てがなされているのを見かけるようになってきたが、そろそろ大きな動きがくるのかと感じさせられるものである。

ただ、果たしてどのような形で危機が訪れるのかは予想がつかない。10年前のように大手金融機関から思ってもみない損失が露呈するなどというのはさすがに考えづらいし、不動産投資市場の収縮や、人手不足による販管費の上昇といった要因は確かにボディブローではあるが、それ自体が危機を引き起こすほどの要因にはなり得ない。

そうすると、危機はいつも、予期しないところから降ってくるということなのだろう。たとえばサイバー攻撃や、大国の指導者がもたらすエキセントリックな言動、災害といったものが発火点になるのだろう。そう考えると、この世界は見えざる神の手によって差配されていると思うしかないのだ。