身ぶるい。

ドラフト会議の時間帯はここ数年予定を空けるようになった。もちろん贔屓のチームがどのような選手を獲得するか、ということにも興味はあるのだが、ドラフトという一種特殊なこのシステムに、えもいわれぬ感慨を覚えながら見守っている自分がいる。

それは自分自身が歳を重ねたことと関係が深いのだろう。もう30代も中盤を過ぎて、プロ野球の世界でそれなりに活躍した同世代もどんどん一線を退きつつある。また、鳴かず飛ばずで、早くにプロの世界を去っていった同世代は、多くは野球とは別のフィールドで次の人生を歩んでいる。成功を手にする選手のほうが圧倒的に少なくて、多くの選手は夢半ばでプロの世界を去りながらも、そこで手にしたものを糧に次の人生を着実に踏みしめている。

そんな世界に若者が身ぶるいしながら挑戦していく、その一歩目の瞬間がどうしようもなく眩しく見えてしまうのである。