分水嶺。

長期金利が上がり出している。まだなにも政策決定はなされていないのだが、マーケットのほうから、金利政策の転換を促しているようでもある。

金融緩和の長期化が、金融機関の経営を圧迫し、その副作用として不祥事なども起こっている。今年の決算はなんとかほとんどの銀行が黒字を保ったが、無理なお化粧によるものも多く、このままの状態であれば来年春の決算は酷いものになるだろう。影響は金融機関の機能低下という形で現れるかもしれない。

ただ、現段階での金利上昇は円高を招くだろう。円高への転換がどれほど急激なものかはなんともわからないが、一定程度景気を冷やすのは間違いない。ただ、いまの事業会社の収益構造がある程度筋肉質になってきているので、少々の円高は耐えられるというのが日銀の読みなのだろう。

そろそろアベノミクスも総決算である。ここからの舵取りで全ての評価が決まると言っても過言ではない。どうか、無事に着地して金融緩和の出口を迎えてほしいと願っている。