苦楽。

少し前の話になるが、とある人から離婚の話を聞いた。そこに至る経緯や、いまの胸中なども語ってもらった。

それまでも、奥さまの行動のエピソードなどは聞いてはいたが、天真爛漫なんだろうなあ、というくらいにしか考えていなかった。当の本人もかなり奔放なタイプで、僕からしてみれば(僕自身も人からみれば奔放に見えるのかもしれないが)、彼らの生活はおカネも潤沢だし自由で羨ましいなあ、と妬みに近いような感情を抱いていたのだが、今回経緯を聞いて、そのような感情を勝手に抱いていた自分を恥じた。

なにひとつ不満のない人生を歩んでいる人なんていないのだ。たとえ恵まれた境遇で生まれてきたとしても、その境遇がその人自身の人生を縛り付け苦しめることもある。我慢すべきところで我慢せず努力を放棄してしまえば、運にも見放される(もちろん努力すれば必ず幸せになれるというのも違うが)。怖いくらいに、人生は帳尻が合うようにできている。

そう思うと、僕もしのごの言わずに毎日周りに感謝して生きるしかないと思えてくるし、彼の再出発も、できる限り応援できればいいなと思うのである。