徹夜。

僕の住んでいる地域では、この週末がおおかたの幼稚園の願書配布日であった。昔もそのようであったのかは知るよしもないが、一部の幼稚園では選考の代わりに願書の配布が部数限定となり、願書を手に入れんがために親たちが園の前にぞろぞろと並ぶのである。わが家もその儀式に巻き込まれることとなった。

配布は日曜の朝である。昨年の状況では朝5時が最終であったので、果たして何時から並び出すべきなのか、というところであったが、ちらちらと偵察を繰り返したところ、前夜の21時ごろから列が発生しはじめた。実に12時間前である。ウンザリとしながらも覚悟を決めて並びはじめる。もっとひどいエリアでは金曜夜から並びはじめて二徹するような園もあるというから、まだマシなのかもしれない。

冷え込むなかで、野宿である。大学生の頃の野宿や、テントを張って山中で夜を明かしたことを思い出す。列はすぐに伸び、夜半には30人を超えた。異様な光景である。(明日に続く)