インパール。

ようやくNHKスペシャルインパール戦慄の記憶」再放送の録画を見た。予想をはるかに超える凄惨さであり、失敗の本質が詰まっていた。当事者やその子孫の方々のインタビューには多少あいまいなものもあっただろうが、どれもが70年以上経ったいまだからこそ話せるものであり、NHKとしてはギリギリの判断をしたのだと思う。このような貴重なインタビューが後世に残されてよかったと思う。

現地の取材も、当時の状況を想起させるものだった。滔々と横たわるチンドウィン川、険しい山道、そのなかに現れる小さな村、おそらくは70年前とはほとんど変わっていないのだろう。そして、幾多の日本兵が取るものもとりあえず敗走したのだということを想像すると、なんともいえない気持ちになった。

この作戦が失敗だったとか、いやインドにとっては独立の布石となっただとか、いろんな議論があることは知っていたけれども、僕の頭に真にリアリティを持って迫ってくるのは、あの密林のなかで、日本兵が彷徨っていたということだけだ。それだけは忘れないでおこうと思う。