90年後。

朝夕、息せき切らして武蔵小杉の連絡通路を小走りで移動していると、「90年後の武蔵小杉」というテーマで絵を募集しているのが目に入った。どうやら武蔵小杉駅開業90周年企画だそうだ。

90年後、2107年の武蔵小杉を想像してみたが、正直悪い予感しかしない。築90年前後となったタワーマンション群は果たして存在しているだろうか、それとも解体されているのだろうか。どちらの姿も想像がつかない。

ある一定の時期に集中して開発がなされた街の数十年後というのは、どうなるものなのだろうか。マンションの管理コストばかりが嵩み、街のインフラが同時期に一気に劣化していくであろう現実に対して、その衝撃を和らげることはできるものなのだろうか。

東急といえば持続的な街づくりに定評があっただけに、武蔵小杉という街がこれほどの変貌を遂げてしまったことには、忸怩たる思いもあるだろう。90年後の武蔵小杉を描いた絵を見て、将来について思いを馳せることときたい。