あの頃。

きのう、阪神淡路大震災から22年の日を迎えた。

1995年の冬から春にかけて、僕の目の前をいろんなことが駆け抜けていった。中学受験を控えた時期だった。

僕の記憶が確かならば、大震災のあの日は、ちょうど滑り止めであり腕試しの私立中学の入試が終わった後の休み明けだったと思う。

震災に遭って動揺したという記憶はない。何があろうと、入試の日は予定通りにやってくると思い、かといって普段以上に気負うこともなく、淡々と日々を過ごしていたはずだ。今から思えば、あの頃の体験が、大一番のものごとに挑むにあたっての心構えを備えた原体験だったのだと思う。

1日いちにちを噛みしめるように過ごしながら、入試のスケジュールをこなしていき、ついに合格証書を手にした。そして、残された小学校生活の日々、友だちとの別れ、そんななか飛び込んできた地下鉄サリン事件のニュース。

あの頃、今よりも断然に軽やかに日々を生きていた。動じることなく、今やるべきことにしっかりとフォーカスしていた。そんな日々があったのだということを、この日が来るたびにまた思い出すだろう。