宗教。

大阪の実家の裏に、新興宗教の教会がある。新興宗教といってもマイルドなもので、勧誘を受けたことなどは全くない。休日によく集まりがあり、特徴的な奏楽や歌声が聞こえてくる。どうやら「歌」に重きの置かれる宗教のようだ。

僕の家は浄土真宗で、特段信仰が篤いとも言えないのだけど、最近になって宗教も良いものだなと思うようになってきた。血縁のつきあいが希薄になっていくこの時代、手段さえ間違えなければ宗教は、困ったときに助け合うためのネットワークになり得ると思う。

宗教のつながりというのは、ややもすると「面倒くさい」「胡散くさい」と思われがちだが、孤独に苛まれていると、そんなつながりも恋しくなるのだろうか。もしかすると、数十年もしないうちに、この国には新しい宗教(もしくは、それに近いもの)が生まれているのかもしれない。血縁のつきあいを真に代替し得るのは、趣味や友人では少し足もとがおぼつかなくて、信仰しかないのでは、と思う。