次の季節へ。

大阪から親しいお客さんがきたので、久しぶりに浜松町の「くにもと」へ。2-3年前がピークで月に一度くらいのペースで通っており、顔なじみになりつつあったが、ここ1年くらいは完全に疎遠になっていた。おそらくは顔も忘れられた気がする。

仕入れが難しいのだろう、やや肉の値段は上がっている。ただここの肉の美味さからすればまだまだ許容範囲内での価格設定。正直に値上げをして、クオリティを落とすことはしないのは良いことだと思う。

いつも大阪出張時はごちそうになっているので、今日こそはと固く心に決めてサイフを出すのだが、押し問答のあげく今回もまたごちそうになってしまう。いったい自分は何歳になるまで人にお世話になるのだろうか、と思う。そしてそれに応えられるようなことはできているのだろうか、とも。

店を出ると昼間の蒸し暑さはとれて、秋の夜風が吹き始めていた。既にほぼ醒めた酔いを散らしながら、見知った道を歩く。次の季節、次の新しいシーズンが幕を開けるのを感じながら、一歩いっぽ踏みしめて歩く。