原風景。

最近徐々に北関東方面への出張が増えてきた。街中をふらふらと車で走っていると久しぶりに見るチェーン飲食店の看板に懐かしい気分になる。いずれのチェーン店も、都心やいまの住まい近辺ではまず見かけない、いわば北関東で生まれ、育っていくチェーン店だ。

大阪の街中で育ったとはいえ、18歳まで学校にべったりだった僕は、学校の外で買い食いをすることはあまりなく(せいぜいが学校のある駅前にある王将や定食屋)、消費のメインと言えば学食であった。それが大学で北関東に出て、クルマを持つことで、消費のシーンはロードサイドのチェーン店(しかも北関東ならではの店)に変わった。多種多様なラーメン屋であり、欧州の古城を模したような喫茶店であり、ちょっとゴテゴテしたステーキ店であり、お屋敷のような風貌の和風レストランであり、山田うどんである。それらの店が僕の原風景として感覚に組み込まれつつある。

わが家の妻も、DNAとしては似たようなものを持っているので、案外遠い将来は北関東もとい国道16号線の外で暮らしているのかもしれない。