自転車。

仕事からの帰り、駐輪場に停めてある自転車にまたがると違和感が。タイヤの空気が抜けている。1日の帰りにこんな事態に遭遇するとどっと疲れが増す。こんな日に限って自転車屋が既に閉まっている時間だったりもする。仕方ないので長い長い家までの道のりを自転車を押してとぼとぼと歩く。昼間の暖気が残る春の夜のこと、ヒートテックの下にじんわりと汗がにじむ。

自転車がないから翌朝もいつもよりも早起きしてバスに乗り仕事へ。夕方になって自転車を拾って修理に持っていく。もうタイヤもチューブもかなりへたっていますよ、全部替えてしまったらどうですか、と言われながらも、とりあえずパンクの修理だけでお茶を濁して、店内をブラついて待つ。

久しぶりに自転車を眺めて、どの車種もえらく値上がりしていることに気づく。昔は1万円を切る価格で買えたはずが、1番安い価格帯で1万2千円になっており、いわゆるシティサイクルと呼ばれる安価なゾーンは、2万円前後が主流になっている。ママチャリも3〜4年前と比べてもえらく値上がりしている。聞くとやはり、人件費や部品調達コスト増により中国製の自転車が値上がりしているということだ。これでもまだ企業努力によって抑えており、本当は2倍に値上がりしてもおかしくないとのこと。

思えば、この10数年で5台ほどの自転車を乗り潰してきた。全部1万円前後のシティサイクルだ。安かったからこそ、多少壊れてくれば修理することもなく次を買っていた。そろそろ、自転車とのそういう付き合い方もおしまいにすべき時期がきているのかもしれない。