芸人とテレビ。
最近久しぶりにいくつかお笑い番組を見たけれども、残念なことに全然面白く思えなかった。お笑い芸人のレベルが低下していると言うよりは、テレビの編集の問題だと思う。
総選挙の開票速報の前にやっていた番組は、M-1グランプリをほうふつとさせるつくりになっている。ただ、ネタの前に流れるVTRが余計だ。ほとんどのVTRが、芸人という収入が不安定な身分を前面に出し、家族との葛藤や感謝、アルバイトを掛け持ちする姿などで埋められている。ドキュメンタリー番組ならともかく、ナンバーワンを決める番組でこういう前フリは必要だろうか。経済的に苦しい状況でそれでも芸人という夢を追い続けていたとしても、それはネタ前に大手を振って見せるべきことなのだろうか。あんなVTRを見せられると、純粋にネタを楽しめないし、ましてや評価に偏りが入ってしまう。あくまでナンバーワンを決める番組であればそんな小細工を挟む必要は全くないし、どうしてもやりたいのなら後日ドキュメンタリーにすればいい。
他にも先日あった番組では、ネタ中に番宣が入ってきた。これに至っては芸人がかわいそうとしか言いようがない。テレビから距離を置いて他のステージに活躍の場を求める芸人もそりゃあ増えるよな、と思う年の瀬。