もちつき。

今年もあと4日。あと○日と意識したのはこれが初めてで、思いの外もう時間が残っていないことに気づく。

★★★

小さい頃の年末の思い出と言えば、大掃除とならんでもちづくりだ。田舎ではなかったので杵と臼でもちをつくようなことはなかったが、もちつき機を使ってもち米から作るのだ。15年〜30年ほど昔のことなので、今よりもアナログなもちつき機で、球の形をした大きなもちの塊が、湯気を立てながらぶるんぶるんとこねられているのが上から見える。

もちが出来上がると、家族総出でもちを作っていく。大きな塊からもちを一個分ずつひねり取って、鏡もちのような姿に手でこねていく。不器用な僕はきれいにもちを丸められず、もちに大きなしわが入ってしまう。その度に、ああなんで僕だけ不器用なんだろうと気分が沈む。そうこうして、大きな塊から50個ほどのもちが生まれる。お正月の間はお米の代わりにこれを主食にする。

さて年が明けて、お雑煮にもちが入る。白だしに浮かんだもちはしばらくすると溶けはじめて、はしでつかむと長く伸びる。お年玉はもらえるけれども、また少しすれば三学期がスタートする少し浮かない気持ちを思い出す。新しい年を迎えられることは喜ばしいことではあるものの、年を越してみればまた日常が始まる、それもゼロリセットされて始まることに、少し落胆を覚えたりもするのが僕の性だ。