踊る。

どうにも円安が止まらない。どこかでこの流れにエントリーしたいのだが、特に押し目の機会もなくだらだらと円が安くなり続けているので、入りこむタイミングが掴みづらい。そうやって指をくわえているのが一番良くないとはわかっているのだけど。

ニュースの論調は、円高是正を歓迎する向きから円安のデメリットを憂慮する向きへと変わってきている。実際にモノの値段は上がり始めている。長い目で見れば、物価が上がり始めているというよりも、ここ15年デフレ環境のなかで異常に物価が安かった、と言う方が正しいのだけど、デフレに慣れきっている身からすれば、これで正常に戻った、とすんなり納得するのも難しい。ただ、数年かけてこの環境に慣れて納得するしかないのだと思う。日銀と政府が目論んでいるデフレ脱却とはそういうことなのだ。

デフレを脱却するということの一番の要諦は、縮こまって、なにも行動を取らなければ損をしてしまう、というマインドに切り替わるということなのだと思う。人々をそういうマインドに切り替えさせることでしか、これからの難局は乗り越えられない、と考えている人たちがいて、僕らはその賭けに乗せられている。あえて賭けから降りるか、それとも踊り続けるか。