たかじん。

やしきたかじんが妻のさくらさんと過ごした最後の日々に関するドキュメンタリーが先日金スマで放送され、珍しく見入ってしまった。「息子よ、あれがたかじんという男だ」なんて言いながら見入ってしまった。

ドキュメンタリーだけ見ると切ない、いい話である。見ていて涙が出そうになってしまった。好き勝手やって生きてきたたかじんが最後にさくらさんに自分をさらけ出し、委ねてこの世から去っていった。そんな人生があっていいじゃないかとも思った。さくらさんにしても、1人の男を見送るために全てを投げうつような人生があってもいいじゃないかと思った。遺産を狙っているだとか純粋な愛に基づくものだとか、いろいろ言われているが、真実はその中間にしかないのだろう。たかじんは騙されたのかもしれない。ただ、騙されることが即ち不幸なことでもないのだとも思う。

それでもふたつ気になったことが。ひとつは、たかじんのマネジャーや家族が、番組内では冷たい人たちとして描かれていたことだ。確かにさくらさんに光を当てるのであれば、彼らには陰を与えざるを得ないが、あそこまで陰影をつける必要はあったのか。そしてもうひとつは、番組内でもたびたび出てきたたかじん直筆のメモ。イメージと違ってなんとも可愛いらしい字なんだな、と感じた。この2点、あの世でたかじんが激昂してしまうような真実でなければよいのだが。