地方と都心。

ベイエリアタワーマンションが地方の富裕層に売れている、という話を聞く。地方の開業医や経営者などで、ゆくゆくは地元を脱出することを選択肢のひとつとして現実的に考えている人たちが少なくないということだと思う。本来地方をしょって立つべき存在であるそのような人たちが、率先して地方で蓄えた富を都心に投下しているということは、地方にとってこの上なく憂うべきことだ。

この先消費税が10%に上げられて、それでも財源がない、となった時に次に手をつけられるのは社会保障、特に年金と医療費の負担なのだと思う。そしてこのあたりに手が付けられるということは、特に地方で医療がビジネスとして成り立たない可能性が高くなっていくということなのだと思う。財政難に陥った地方自治体でインフラの縮小がひっそりと進んでいくのと同様に、医療というインフラの崩壊も進んでいくように思う。いま生きている人は高齢者であれ、もうこの波からは逃げきれないと僕は考えている。

目の前のことを先送りしてきたことの結末、というのは結局こういうことなのだろう。みながそれを望むのなら、その流れに下手にたてつくよりも、結末の後の世界の準備をしておくしかない。