井の中。

先週福島県知事選が行われた。前副知事の圧勝だったと言っていい。この結果はある程度予想されていたことであったが、それとは別に、井戸川克隆元双葉町長が2万票しか得票できずに供託金を没収されていたのが目についた。

井戸川氏と言えば、美味しんぼでの鼻血発言を含めてなにかと言動が話題にのぼる人である。原発が立地する自治体の長だった人物がなぜこのような言動をするようになったのか知る由もないが、脱原発派からは担がれている存在である。

双葉町長を務めた経験からしても、もう少し得票してもいいところだったのにこの惨敗はどういうことであろう。この3年半、脱原発、脱被曝を前面に押し出した人物でそれなりの得票を集めたのは山本太郎くらいではないだろうか。菅直人にしても前回の衆院選ではあわや落選という経験をしている。

世論調査をすれば脱原発の意向を示す人が多数派を占めるにもかかわらず、実際の選挙ではむしろそれとは逆の結果が出る。この原因はどこにあるのか。これまでのデモなどの運動は正しかったのか。脱原発派が自分自身でその答えを見つけなければ、このままなしくずしにことが進んでいく結末しかないのだと思う。自己満足で完結してしまえばそれで終わりだ。